ずっと気になっていた喫茶店。
気軽に入れる雰囲気ではない。
大通り沿いにあるけど、店内の様子は見えないし。
お客さんが入っているのか、閑古鳥なのかもよくわからない。
いざ入ってみて、常連サンだらけだったらどうしよう。
コミュ障の僕には耐えられないかもしれない。
なんてことを考えていて、今まで入る勇気がありませんでした。
今日は、家にご飯がないので1人で外食をしなくてはならない。
勇気を出して、福井市「シシリア」の扉を開けてみた。
「カランカラン」
店内には、髭をたくわえたマスターと、カウンターにお客さんが1人。
常連っぽいカウンターの客がちらりと僕の方を見た。
品定めをするように。
すぐに視線を雑誌に戻す。
お客が1人なのは安心した。
食事を頼むことに。
喫茶店にしてはメニューが豊富だった。
トースト、パスタ、パンケーキ、パフェなどの喫茶店らしい軽食もあれば、丼もの、各種定食、カレー、ハンバーグなどなど。
ご飯屋さんと言えるほどの充実ぶり。
これは期待できる。
迷ったが、豚野菜炒め定食を頼むことに。
コーヒーのセットにした。
コーヒーの味を確かめておきたかった。
今後、ふらりと来店したいと思ったので。
豚野菜炒めは家庭料理のようで普通に美味しかった。
玉ねぎ、キャベツのシャキシャキとピーマンの苦味、ぶなしめじの歯ごたえと人参の甘み。
ちょうどよいコショウ加減。
豚肉の量も多すぎず少なすぎず。
ポテサラの味もちょうどよい塩加減で僕好みだった。
味噌汁の出汁はカツオかな?
出汁がよく利いていて。
全部が美味しかった。
食後のコーヒー。
うまい。
苦味がちょうどいい感じ。
酸味がないのもいい。
コーヒーを飲みながら、帰宅する車の行き交う様子をボーッと見ていた。
明日は土曜日だから、みんな急いでいるように見える。
友達と飲みにいくひと。
家庭の食卓へ急ぐ人。
仕事から解放され、今から自分の趣味をするために意気揚々な人。
いろんなひとがいるんだろうなあ。
そして僕は、1人の時間を満喫している。
誰にも邪魔されずに。
日が落ち、ライトを点灯して走る頃になると車の量も次第に減っていった。
僕は何も考えず、ただただ外を見ていた。
店内はとても落ち着く。
BGMは、知らない洋楽。有線だろうか。
気にならなくていい。
今日はしなかったが、読書をしても捗りそう。
この店、いい。
また来よう。
お気に入りの店になりそう。