迷色まくるの巡礼の日々

迷色まくるの巡礼の日々

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「某」 川上弘美 著 を読んだ。

登場する「何者でもないもの」達は、人間ではない。主人公もその「ひとり」。

彼らは、自分のためだけに生きている。

彼らは、他人に関心がない。

他人に対する愛情がない。

そして、見た目も中身も全く別のものに変化できる( そして、それは人間とは限らない)。

しかも何度でも、だ。

勝手に変化するものもいれば、意識的に変化することができるものもいる。


主人公( ひかり)が、 丹羽ハルカだったころ、「某」から、人間に変化する物語。

死ぬことができない、成長もしない彼らだったのだが。

主人公は、「みのり」という、大切にしたい対象ができたとき、人間へと変化を始めた。 (死ぬのが怖くなったり、みのりへの愛情が芽生えたり、成長したり)


そして、最後には「某」 から人間として、変化を遂げた。


私やあなたの周りの「サイコパス」や「自己愛主義者」達。

実は人間ではなく「某」かもしれない。