切ないなあ。
切ない物語だった。
50歳中年同志の恋愛。
そこに病気も絡んでくる。
テーマの1つは「すれ違い」でしょうか。
・「人生におけるタイミング」の違い。
それによって、中学時代にすれ違い。
・相手のことを大切に想う「体現方法」の違い。
それによって、ほんとうに大事な時にすれ違ってしまった。
どこかで、「人生のタイミング」や「お互いの想い」において、合致していれば。
ひょっとしたら、須藤の言う「夢みたいなこと」は実現していたかもしれないのに。
「須藤の覚悟」と「青砥の考えの甘さ」。
読後に、再度、核心部分を読み直して、「あ~あ、青砥、それはないよ~」と思ってしまった。
須藤にしたら、事実を言えなくなってしまうよねえ。
「取り返しのつかない」すれ違い。
でも、青砥の1年間の過ごし方と6月11日の出来事。
切なすぎるし、悲しすぎるし。後悔ばかりだよねえ。
青砥にも同情してしまう。
須藤の「人生をかけた覚悟」の固さに、僕は参ってしまいました。
取り返しのつかないすれ違いに、うなってしまったし、深く考えさせられる物語でした。
単純な恋愛物語ではありませんが、とても考えさせられます。
しばらくしたらまた読み返したいと思います。
中年のみなさんは1度読まれてみてはいかがでしょうか。
平場の月 /光文社/朝倉かすみ
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